英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

思考の痕跡をたどることの大切さ

「同じ時間学習しても伸び方が生徒によって全く違う」というケースはこの仕事をしているとよく見聞します。もちろん資質の違いもあるでしょう。走るのが早い人と遅い人がいるのと同じで、当たり前ですが、勉強にも適性というものはあります。

しかし、一般に芸術や運動よりは学力は適性(≒才能)に依拠する割合が少ないことも様々な統計からある程度証明されています。ではなぜ同じ時間勉強しても学力の伸び方に差があるのか?もちろん色々な原因が考えられますが今回は「復習の仕方」に着目してみます。

問 次の英文の(  )内に最も適切なものを選択肢の中から選びなさい。

  There (   )a lot of wine in the bottle last night.

  ① are ② is ③ were ④ was 

正解は④です。例えばこの問題を解いて①を選んだ人がいるとします。もちろん不正解です。で、多くの人は赤ペンで①にバツをつけ④と正解の番号を書いて次の問題へ進みます。塾で見る限り9割くらいの人はこんな問題集の解き方をします

はい、これではコスパ(=かけた時間と学力のの伸び方の比率)が最悪です。短時間の学習でが学力を上げるにはこのようにして下さい。

STEP1 〇×をつける。

STEP2 〇の問題→正解の理由が自分の考えと同じかどうか確認する

STEP3 ×の問題→自分がなぜその選択肢を選んだのか(=思考の痕跡)をたどる。そしてそれがなぜここでは間違っているのかを特定する。

STEP4 正解がなぜ正解になるのかその根拠を記す

これが「コスパの良い」学習法(=復習法)です。

先ほどの問題で言えば①を選んだ人の「思考の痕跡」は「There is / are ~の構文の場合、be動詞は主語に合わせる。a lot of =たくさんの~、だから主語は複数。よって動詞は are」という感じでしょう。

では、何がいけなかったのか?確かにa lot of ~=たくさんの~、ですが本文ではこの後に続くのは wine という不可算名詞。不可算名詞は「数えられない名詞」なので「複数」という概念は適用されません。よって単数扱いされます。(ワインが1つ、ワインが2つ、とは日本語でも言わないでしょう)従って be動詞も主語が単数のときと同じ is / was が使われます。ここでは last night とあるので文全体の内容は過去のこと。よって was が正解、となります。

ここまで詳しくノートに書いていると逆に「コスパが悪い」ので実際は・・・

「wine は不可算名詞なので単数扱い。last night とあるので正解は was」

という「一行解説」を書くと良いでしょう。これを実際にノートに書くとこんな感じになります。

 

(1) ①  (2) ③×  (3) ②  (4)④  (5) ①×

(2) wine は不可算名詞なので単数扱い。last night とあるので正解は was
(5) each の後に来る名詞は単数形。よって正解は boy

 

いかがでしょうか?面倒がらずにこのように自分の「思考の痕跡をたどって復習する」ことで同じ学習時間でも最大限の効果を発揮させることが可能となります。さっそく今日の学習からこのやり方で問題集やテストの直しをして下さい!

See you next time!