今回は英語が苦手な中学生向けの内容です。先日この秋に英検4級を受験する塾生の指導をしているときにこんな英文が出てきました。
I have to finish it by Wednesday.
その生徒はこの英文をこう訳しました。
「水曜日までに終わらせないといけない。」
もちろん何の問題もないのですが私は「主語と目的語も抜かさずに訳してみようか」と言って主語と目的語を入れてもらいました。
ところが主語として「私は」を文頭に入れることはできましたが、目的語の「それ(を)」を入れることができません。ひょっとしてと思い 「it の意味は何だろう?」と尋ねると「えー・・・」という感じでした。
そこで念のためさらに「 by の意味は何だろう?」と聞くとやはり「えー・・・」となってしまいました。
これは「今どきの」中学生にはよくあることで何も彼だけが特別ということではありません。小学生のときに会話重視で英語に触れて(それが悪いとは思っていませんが)、中学に入るとレッスン1から be動詞、一般動詞、助動詞が混在する英文が出てきて、しかも授業では文法指導はあまり重視されていない、という状況下では致し方ないことでしょう。
ですから吉田塾の指導では学校の英語指導で欠けている部分を集中的に補うために古典的な指導を重視して行っています。
「古典的な指導」とは教科書の英文をノートに「筆写」した上で「文法訳読」さらには「和文英訳」を行うことです。
英文筆写 I have to finish it by Wednesday.
単語ベースでの理解
I 私は
have to しなければならない
finish を終わらせる
it それ
by ~までに
Wednesday. 水曜日
直訳調の和訳 私はそれを水曜日までに終わらせなければならない。
和文英訳 I have to finish it by Wednesday.
このプロセスを授業時に練習してもらい、自宅でも再現できるようにしてもらっています。もちろんこれだけだと「昭和の英語学習」になってしまいますので、そこに「音声理解」と「発声」「発話」も加えるために、このようにして単語ベース、文法ベースで理解した英文のネイティブ音源を聴き、その上で音読することも課しています。
令和の中学生が昭和の中学生よりも「英語が読めない」「英語が聞き取れない」「英語が話せない」・・・、そんなことが無いように池袋の片隅で日々粛々と英語の指導をしています。
See you next time!