英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

仮定法ってなんだろう? 本が読めない子供たち

先日「仮定法」を勉強してる高校生に「そもそも仮定法って何?説明してくれる?」と質問したら「えー、仮定の話をしている文」というかなり定番の返答が来ました。そこで「そしたら文法書で調べてみて、仮定法の定義を「仮定法とは・・・」という出だしでノートに書いてくれる?」と言って『エバー・グリーン』を渡しました。

「先生できました!」
「OK.ノートに書いたこと読んで」
「仮定法とはありえないことを述べている文」
「ん?ほんとにそう書いてあった?」
「え?書いてあったと思いますけど・・・」
「どこに書いてある?」
「ここに・・・」

そこにはこう書いてありました。
「仮定法:現実とは違う・現実味の無いことについて話すときに使う動詞の形」(エバー・グリーン、初版、P362)

「どう?仮定法とは何かわかった?そしたらこの英文のどの部分が仮定法か教えて」

I wish he were here and helped us.

「えー・・・、I wish ですか?」
「質問に質問で返さない!」
「I wish です!」
「残念!この英文の意味は?」
「彼がここにいて私たちを助けてくれたらいいのに。」
「そうだね。そうすると「彼がたすけてくれたらいいのに」とwishしているのは現実じゃないの?」
「あ!」
「現実じゃないのはどこ?」
「彼がここにいて助けてくれたら」
「で、結局仮定法はどこ?」
「he were here and helped us です!」
「惜しい!さっきノートに書いたこともう一度読んで」
「現実とは違う・現実味の無いことについて話すときに使う動詞の形」
「そう、仮定法は動詞の形でしょ!」
「あ、そしたら were と helped です」
「正解!」

仮定法の説明をする際は毎回こんな感じで授業が進みます。ちなみに先ほどの文で

I wish he were here and helped us.

wishは事実を事実として述べる「直説法現在」、wereと helped がが「仮定法過去」ということになります。さらにちなむと、仮定法の世界では・・・

現在のことは「過去形」

過去のことは「過去完了形」

を使うというルールがあります。従って「彼が今ここにいて今助けてくれたらいいのに」(実際は彼がいなくて困っている)という意味にするには were, helped と過去形を使っているのです。

See you next time!