「品詞の感覚」というか「品詞の定義や働き」を知らない生徒が増えています。これは「なるべく品詞や文法的な説明をしないでコミュニケーション重視で英語を指導しよう」という世の中の流れからして当然のことでしょう。
しかし一方で「出口」としての入試や英検やTOEICなどの各種資格試験においてはこの「品詞の感覚」や「各品詞の働きの理解」が求められているのでどこかしらでしっかりと学んでおく必要があります。
10年ほど前のセンター試験の問題を見てみましょう!
問 次の英文の( )に入れるのに最も適当なものを①~④から1つ選べ。
I understand ( ) of our students are working part-time in the evening to pay their school expenses.
① almost ② any ③ anyone ④ most(2013年センター本試験)
この問題を解くときに最初に考えるべきことが、①~④の選択肢の品詞がそろっていないことです。
① almost(副詞)ほとんど
② any(形容詞)なにか~、どんな~、(代名詞)何か、誰か、どんなもの、どんな人
③ anyone(代名詞)誰か、誰でも
④ most(形容詞)ほとんどの~、(代名詞)ほとんどのもの、ほとんどの人
次に本文を見ます。この英文が・・・
I understand [ (that) S V・・・]. という構造になっていることを見抜きます。[ ] 内の are がV(=述語動詞)になっているので その前方の( ) of our students が一つの名詞のかたまり(=名詞句)を形成しており、それがS(=主語)になっていることが分かります。よって( )内に入るのは名詞または代名詞ということになります。
注)主語になれる品詞は名詞相当語句のみ
よって正解は②③④の中から選ぶことになります。そこで再度[ ] 内のVに注目すると are なので主語は複数扱いの名詞相当語句となります。 any や anyone は単数扱いされるので正解は④ most となります。
実際は多くの受験生が最初に「学生のほとんどがバイトをしている」という「意味」から攻めて① almost か④ most にたどり着き「 almost と most の品詞が分からず、1/2の確率で間違える」という状況に陥ります。
普段から英文を読む際に単語を見たら必ず「この単語は『ここでは』品詞は何として使われているのか?」と自問するようにしましょう!
最期に少し品詞の役割を確認しておきましょう。
名詞:S O C のいずれかとして働く
*前置詞とセットになると形容詞か副詞の働きをする
形容詞:①名詞を修飾する②補語になる
副詞:名詞以外の品詞(形容詞、副詞、動詞等)を修飾する
いかがでしたでしょうか?
See you next time!