昨日は高3の体験生の授業がありました。都内でも有数の進学校の生徒さんですが英語が苦手とのこと。という訳で彼が持っていた教材の英文を和訳してもらいました。
Some gestuers are used in more than one country.(『基礎英文解釈の技術100』p. 2)
彼はこの英文を・・・・
ひとつの国はいつくかの身振り手振りをより多く使っています。
のような感じで訳しました!むむむ
この和訳何が問題かというと英文の主語述語と日本語の主語述語が違っていて、その結果英文が伝えている内容と日本語訳が伝えている内容が変わってしまっているのです。
英文の主語と述語「いくつかのジェスチャーは使われている」
日本文の主語と述語「ひとつの国は(身振り手振りを)使っています」
さらにはこの more は than と組み合わさり「~より多くの」という意味になっていますが、この more が are used を修飾しているように訳しているのも問題です。おそらく彼の頭の中では・・・
Some gestuers / used / more / one country
という「内容語」(=意味が重要な単語。名詞・形容詞・副詞・動詞など)を「自由に」組み合わせて文脈に合うと思えるような内容を創作しているのだと思われます。そして、このように英文を「解釈」している生徒はかなり多いのが実情です。試しにmore than ~=~より多くという表現を教えた上で、この英文を2つに分けて訳してもらったところ・・・
Some gestuers are used / in more than one country.
いくつかのジェスチャーは使われている / 1つより多くの国の中で
と訳せたのです!もちろんこの英文はそれほど難しくはないのですが、このように先ずは主語と述語(=SV、SVC、SVO)をつなげて大まかな意味を捉えていくことが大切です。さらには英文を(文法的な)かたまり毎に意味を捉えて、決して「越境」させない(=かたまりを越えた修飾関係をつくらない)ことを意識することも必要です。
(a) Some gestures are used more / in one country.
いくつかのジェスチャーはある国ではより多く使われている。
(b) Some gestures are used / in more than one country.
いくつかのジェスチャーは複数の(=1つより多くの)国で使われている。
いずれもそれほど難しいことではないので普段英文を読む際はこの2点を意識するように心がけましょう。
See you soon!