英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

様々な that について ~高校英語ゼミ~

昨夜の「高校英語ゼミ」のテーマは「様々なthat」でした。that は英語を学び始めて最初に習う語の一つですが、実に奥が深い語なのです。例えば次の2つの英文を見て下さい。

(a) I believe that he is innocent.

 私は彼が無実だということを信じています。

(b) I believe the words that he said.

 私は彼が言った言葉を信じています。

この2つの that は品詞が異なります。そしてその結果 that が作るまとまり(=節)の文中での働きも異なります

結論から言うと(a) の that は接続詞(b)の that は関係代名詞です。以下のような違いがありますので確認して下さい。

①接続詞の後の節は不足した要素(=S、V、O、C)の無いいわゆる「完全文」

②関係代名詞の後の節は要素が不足しているいわゆる「不完全文」

 *he said には目的語がありません。

③関係代名詞の前にはそれが修飾する名詞(=先行詞)がある

学校の定期テストなどではこの2つの that を区別させる問題が出ることがありますが、上記①~③が判別のポイントとなります。もう一つ例文を見て下さい。

(c) I don't believe the rumort that he died last night.

 私は彼が昨夜亡くなったという噂を信じていない。

さて今度の that の品詞は何でしょうか?

後方を見ると "he died last night" と特にかけている要素はなさそうですから接続詞と言えそうです。ただしこの文には前方に rumore という名詞があります。という訳でこの that は接続詞で前方の名詞と同格関係になっているのです。同格というと難しいですがこのようなことは中1で習います。

(d) This is Ken, my yonger borother.

 こちらはケンで、私の弟です。

このケンと弟のように前の名詞を後ろの名詞が説明している関係のことを同格関係と言います。(c) の場合は the fact(=その事実)をthat he died last night(=彼が昨夜亡くなったこと)が説明しているということになります。

(a) (c) の that が導いている(=まとめている)節はいずれも名詞と同じ働きをしており「名詞節」になっています。(a) は believe の目的語となっており、(c) は前方の名詞を説明する名詞として働いている点に注目しましょう。

さて、that が難しいのは接続詞の that が作る節は名詞節だけではないということです。

(e) I was surprised that he died last night.

上の英文のthat の品詞は何で、その導く節は何節でしょうか?

①後方は完全文になっている → taht は接続詞

②that 節はSOCにはなっていない → that 節は名詞節とは言えない

③直前に名詞がない → 同格節でもない

という訳でこれは副詞節ということになります。前方の主節(=I was surprised )の理由を説明しているのです。まとめます!

(a) that = 接続詞。導く節は名詞節。

(b) that = 関係代名詞。導く節は形容詞節。

(c) that = 接続詞。導く節は名詞節。

(e) that = 接続詞。導く節は副詞節。

いかがでしたでしょうか? that を辞書で調べたことがある人はほとんどいないのではないかと思いますが、一度最初から最後までざっとでいいので目を通してみることをお勧めします!

See you soon!