公立中の中3生は学校の授業でそろそろ仮定法に入るようです。中3生から「仮定法って何ですか?」とい質問を最近よく受けます。
で、仮定法とは何でしょうか?すでに仮定法を習っている高校生に聞いても
「えーと、I wish とか if がつく文」
と答える人が大半です。ちょっと解像度というか理解度が低い返事です。ここで中学校の教科書では仮定法はどう説明されているかを見てみましょう。
If I could・・・(仮定法)
「もしも(今)~だったら、・・・だろうに」と仮定の話をするときは、If の後ろに、動詞や助動詞の過去形を使います。be動詞は基本的に were を使います。(Here We Go! 3, p.93)
仮定法
現在の事実と違うことや、可能性が(ほとんど)ないことについて、「もし・・・であれば~だろう」「・・・であればいいのになあ」というとき。
*仮定法の文では、動詞や助動詞は過去形を使うことに注意しよう。(New Crown 3, p.102)
仮定法
このように、現実とは異なるか、まず実現しないような願望を表すときには、I wish に続く文の動詞には過去形を使い、これを仮定法といいます。(New Horizon 3, p.100)
どうでしょうか?仮定法とは何かわかりましたか?仮定法=X みたいにはっきりと記述してあるのはニューホライズンだけでしょうか。
吉田塾では仮定法を以下のように定義しています。
仮定法=事実とは異なる、あるいは実現の可能性が低いことを表すときに使う特別な動詞の形
昨日の「英語学習十則」の話ではないですがこの定義を突き詰めると・・・
仮定法=特別な動詞の形
と考えることができます。次の英文をみて下さい。
(a) I wish I had my own computer.
私自身のパソコンを持っていたらいいのに。
この英文では「いいのに」と願っているのは現実のことであり事実です。現在願っているので wish は現在形になっています。一方で「パソコンを持っている」というのは事実ではないので仮定法になり動詞の形は過去形になります。つまりこの英文は仮定法を含む文と仮定法を含まない文がとでできています。ちなみに「事実を事実としてそのまま述べるときの動詞の形」を「直説法」と呼びます。
(a) I wish I had my own computer.
直説法の文 + 仮定法の文
違うパターンを見てみましょう。
(b) If Ihad my own computger, I could use it anytime.
もし自分のパソコンを持っていたら、いつでもそれを使えるだろう。
現実とは違うことを述べるときには if(もし・・・ならば)が便利です。ですから if を使った英文と仮定法も相性は良いのです。(b) では実際にはパソコンを持っていないので had は仮定法で過去形になり、実際はいつでも使えることもないので could use とこちら(=主節)も仮定法で過去形になります。
つまり現実とは違うことを述べるときにその特別感を出すために現在のことであっても動詞の過去形を使うのです。よって「仮定法=特別な動詞の形」ということができるのです。
ちなみに if が入った英文が全て仮定法を用いるわけではありません。
(c) If I get my own computer, I will use it everyday.
もしパソコンを手に入れたら、毎日それを使うでしょう。
この英文のようにまだ事実が確定していない未来のことに関する仮定については仮定法を使わずに動詞は現在形、助動詞 will も現在形を用います。
いかがでしたでしょうか?自分の使っている教科書で仮定法の部分を復習してみましょう!
See you soon!