英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

There is / are の定着率が驚くほど低い~日本語と英語のギャップが根本原因~

 「毎日英作文」で日々送られてくる生徒の書いた英文を見ているとなかなかひどいものもたくさんあります。「いや、それ英語としてありえないでしょ?」というレベルのものもちらほら・・・。

 しかし、それはあくまでも「英語としてありえない」のであり日本語的発想ではその英文は「あり」だったりします。実際の例を見上がら考えてみましょう。

 

日本文 出身はどちら? ― 京都です。

答案例 Where from? ー Kyoto is.

 

 日本語では主語の省略は当たり前ですが、英語では原則主語は省略しません。もちろんこれは英語の世界の中の話で、日本語のルールとか慣習に従えば答案例のような英文を書くのも当然かもしれません。

 Kyoto is. もひどいですが is =です、という認識があることを先ずは褒めたい(ほんとに)ところ。日本文が以下のようであれば間違いはかなり減るでしょう。

日本文 あなたの出身はどちらですか? ― 私は京都出身です。

解答例 Where are you from? ― I am from Kyoto.

 次の例を見てみましょう。

日本文 この家にはいくつ部屋がありますか? ー 4つです。

答案例 How many room this house? ー It is Four.

 

 How many ? を「いくつ?」と捉えていると結構な確率で room のように次の名詞を単数形で書く生徒がいます。How many を「どのくらい・多くの」と捉えるとこのミスも減るはずですが、そもそも日本語では「たくさんの部屋」(many rooms)も「ひとつの部屋」(a room)も同じなので、この場合日本語と英語のギャップが根本的な原因と言えるでしょう。

 「~がある」を意味する There is /are ~ は本当に定着率が低い事項の一つです。それもある意味当然で There の意味日本語訳に現れていないからです。

There are four rooms in my house.

という英文は本来(というか英語的には

There      are      four rooms  in my house.
ほら、そこに  あります  4つ部屋が  私の家の中には

くらいの日本語に相当しますが、これは「自然な日本語」ではないので通常

私の家には4つ部屋があります。

という和訳を与えています。ところがこのプロセスを吹っ飛ばして

There is X. / There are Xs. =Xがあります。

という公式のみをインプットとしようとすると英語で再現できない人が多いということはやむをえないかもしれません。

解答例 How many rooms are there in this house? ー There are four.

 

 次は日本語にはあるけど英語にはない、というケースです。

 

日本文 どんな食べ物が好きですか? ー ラーメンです。

答案例 What food are you like?  ー It is ramen.

 

 日本文には「好き・です」とあるので

are  you    like

です あなた 好き

 という発想になるのは理解できます。ただし大前提として、「be動詞と一般動詞はそのまま並べて使わない」というルールを中1のど頭で習っているはずなのでこの大前提を無視するのは許せません(笑)

 like =を好む

 と初手から教えるのも良いのかなとも思いますが、昔から言われることですが言語習得は「理論半分、慣れ半分」なので、一教師としては「何度も教科書を音読したり筆写したり復文(=和訳から元の英文に戻す作業)したりしようぜ!」と感じます。

解答例 What food do you like? ― I like ramen.

 

 いずれにしてもルールや英文が本来表す意味を意識(=理論)した上で何度も英文を読んだり書いたり音読したり(=慣れ)する以外には近道はないのです。根気強く頑張っていきましょう!

 

 See you next time!