英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

内容一致問題の極意 後編

ikebukuroyoshidajuku.hatenablog.com

前回のブログの続きです!今回は(2022年本試験)大問2Bの問3からです。

問3 The statement that best reflects one finding from the survey is (  )

① 'I feel unconfortable when I watch TV with my cat.'

② 'I spend about three hours with my pets every day.'

③ 'Most pets like going on car trip.s'

④ 'Pets need a room of their own.'

この問題が少し難しいのは設問の意味を理解することです。問題文の意味は「この調査から分かったことを最もよく反映している発言は(  )です」となります。簡単に言うと「本文で述べられた調査結果と合う選択肢を選びなさい」ということです。ですから本文に直接書いてあることでなくても、調査結果から分かったことに沿っていれば正解となるのです。では検証していきましょう。

①「ネコとテレビを見ていると居心地が悪い。」→本文には "The happy time pets brings"(=ペットがもたらす幸せな時間)とありますが「テレビを見ているとき」のことは特に言及されていないので不明です。×

②「私は毎日ペットと約3時間一緒に過ごす。」→「たいていの飼い主は毎日3~4時間彼らの『毛皮の赤ちゃん』と過ごします」とあります。 their fur baby はペットのことだと推定できます。〇

③「たいていのペットは車に乗って旅行へ行くのが好きです。」→「飼い主の25%がペットを連れて旅行したりドライブしたりする」とは書いてありますが、「ペットがドライブが好きかどうか」については言及がありません。×

④「ペットには彼ら自身の部屋が必要だ。」→「ペット専用の部屋」については調査で言及されていません。×

問4 Which best summaries David's opinions about having pets in Japan?

問題文の意味は「デビッドの日本でペットを飼うことについての意見の一番良い要約はどれか?」となります。ここで注意しなければならないのは「日本で」という部分。日本のペット事情については最終段落でのみ言及されています。よって本文であっても他の部分を参考にしないように注意しましょう。

① It is not troblesome to keep pets.→「ペットを飼うことはやっかいなことではありません」。→本文に ”I have seen other problems such as space, time, and cost." (私はスペース、時間、費用などの問題を見てきました)とあるので "not troblesome" (厄介ではない)とは言えないことが分かります。×

②People might stop keeping pets.→「人々はペットを飼うのをやめるかもしれない。」。本文に "Still, know people here who are content living in small flats with pets."(それでも、私は小さな家でペットと一緒に暮らすことに満足している人々を知っている)とあるので「ペットを飼うのをやめるかもしれない」とは言えなそうです。×

③ "Pet owners have more family members." → 「ペットの飼い主はより多くの家族を持っている。」。本文ではペットを飼っている家の家族の人数に関する言及はありません。×

④ "Some people are happy to keep pets inside their house. → 「ある人々は家の中でペットを飼って楽しいでいる」。②のところでも触れましたが「それでも、私は小さな家でペットと一緒に暮らすことに満足している人々を知っている」とあります。〇

問5 Which is the most suitable title for the article?

「この記事に最も適切なタイトルはどれか?」。タイトルを選ぶ問題の鉄則は「本文の一部にしか関係ないものを外していく」とういう「消去法」です。本部では第一段落に "Why is this so?"(なぜこれはそう(=イギリス、アメリカ、オーストラリアでペットが人気があること)なのか?」とあるのでこの記事は「人々がペットを飼う理由」について述べていることが分かります。

① Does Your Pet Sleep Your Bed? → 「あなたのペットはベッドで寝ますか?」。人々がペットを飼う理由と関係がないです。×

② What Does Keeping Pets Give Us? → 「ペットを飼うことが何を私たちに与えてくれるか?」。つまり「ペットを飼うことで私たちが得られること」なので関係がありそうです。〇

③ What Pet Do You Have? → 「あなたはどんなペットを飼っていますか?」。これも「ペットを飼う理由」とは無関係。×

④ Why Not Keep a Pet Pig? → 「ペットのブタを飼うのはどうでしょうか?」。これも「ペットを飼う理由」ではありません。×

さて、いかがでしたでしょうか?本問のようないわゆる「内容一致問題」(=本文の内容と合う選択肢を選ぶ問題)で高得点を取るにはこのように、「丁寧に本文と選択肢の内容を照らし合わせていくこと」が大切です。練習のときはたっぷり時間をかけて構わないのでこの訓練をみっちり行うことが大切です。

また、本文と選択肢の内容が一致するかどうかを考えるときに「具体的な表現」で述べられていることを「抽象的な表現」で捉え直すことが必要です。例えば・・・

本文:日本では最近ペットとしてウサギを飼う人が増えている。

選択肢A:日本では様々なペットが飼われるようになってきた。

選択肢B:ウサギはペットとして可愛い。

このような問題があった場合に・・・

選択肢A → 「最近ペットとしてウサギを飼う人が増えた」(具体的)≒「イヌやネコ以外のペットを飼う人が増えた」(抽象的)。よって〇

選択肢B → 「ウサギを飼う人が増えた」≠「ウサギはイヌやネコより可愛い」。ウサギを飼う人が増えたこととそれがイヌやネコよりも可愛いかどうかはまた別問題です。×

ちなみに「具体的」と「抽象的」なものの例は以下のようになります。

具体的:イヌ、ネコ、ウサギ、キツネ、

抽象的1:哺乳類

抽象的2:動物

抽象的3:生物

「抽象度」は1<2<3 とだんだん高くなります。つまり「より多くの対象を含む表現」が「抽象度が高い表現」ということになります。

See you next time!