英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

『英文読解以前』という本を出したい

じつは『英文読解以前』というタイトルの本を出版したいと考えています。これは「英文読解」を行う前段階として日本語レベルで一文の内容を正確に理解する力をつける必要があるのではないかという問題提起でもあります。

最近吉田塾で英語を指導する際にとても気になっていることがあります。それは「英文が読めない」「読解問題が苦手」という生徒の根本的原因が英語以前、つまり日本語レベルでの読解力の低さに起因するのではないか?ということです。これは比較的低学年から英検準2級や2級にチャレンジする人が増えて顕在化してきたのかなと個人的には考えています。話が難しくなってきたので具体的な話に切り替えます。

次の問いに答えて下さい。。

 

問 異文化コミュニケーションを学ぶことはなぜ役に立つのか?本文で述べられている理由を①~④の中から選びなさい。

本文 異文化間でのコミュニケーションを意識することは誤解が生じたときにそれを理解し対処するのに役立つ

異文化に対する知識は人々が外国で学習することを促すから

ある種の生活方法は他のものより正しいと考えられているから

過去においてより多くの異文化コミュニケーションの事例があったから

我々は文化的な誤解に対してより簡単かつスムーズに対処することができるから

 

これは2016年のセンター試験(大問3C)の問題の抜粋です。もちろん元々は英文で書かれています。もちろん英文が読めることが大事なのですが、問題はそれを上記のような日本文に変換できたとして、そこから正しい選択肢を選べるか?という点です。

本文 異文化コミュニケーションの意識誤解の解決有効

本文をこのように明確に意識できれば・・・

④(異文化コミュニケーションを学ぶこと誤解対処できる

が正解であることが容易に分かります。

ちなみにこの部分は英語では以下のようになっています。

本文 Having an awareness of intercultural communication can help us understand and deal with misunderstandings when they arise.

④ ( because ) we can cope with cultural misunderstandings more easily and smoothly.

deal with A ≒ cope with A≒Aを対処する

さて、ではこのような日本語の理解力をどうやって鍛えていくのか?ここが問題ですが、一つには「最初に要点をつかみ、その後段階的に内容を明確にしていく」という手法があります。もう一度先ほどの本文を読んでみましょう。

本文 異文化間でのコミュニケーションを意識することは誤解が生じたときにそれを理解し対処するのに役立つ

STEP1 要点をつかむ → 主語と述語をつなぐ

主語=異文化間でのコミュニケーションを意識することは

述語=役立つ

STEP2 段階的内容把握 → 自問自答する

いつ役立つ?=誤解が生じたときに

何に役立つ?=それを理解し対処するのに

 

④ 我々は文化的な誤解に対してより簡単かつスムーズに対処することができるから

STEP1 要点をつかむ → 主語と述語をつなぐ

主語=我々は

述語=対処することができる

STEP2 段階的内容把握 → 自問自答する

何に対処できる?=文化的な誤解に

 

① 異文化に対する知識は人々が外国で学習することを促すから

STEP1 要点をつかむ → 主語と述語をつなぐ

主語=異文化に対する知識は

述語=促すから

STEP2 段階的内容把握 → 自問自答する

何を?=人々が外国で学習することを

 

どうでしょうか?このように「最初に要点をつかみ段階的に内容を明確にしていく」ことで本文と選択肢④の内容が一致していること、さらには④と①が全く異なること、が理解できるのではないでしょうか?

 

日本文を読むときも英文を読むときも常に・・・

主語と述語(=V=述語動詞)をつなぎ要点をつかむ。その後自問自答しながら内容を明確にしていく」ことでまずは一文の内容を正しくつかめるようにしていきましょう!

See you next time!