英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

書いてあることをきちんと読めるようにしよう!動画流行りの世の中ですが・・・

このブログを始めてそろそろ1年になります。動画ばかりが流行る世の中で「そもそもなぜブログなのか?」いくつか理由はあるのですがその中の一つに・・・

文字を、そして文章を正確に読む習慣を身に着けてもらいたい

という思いがあります。これは・・・

・現在、ほとんどの入試が文章を通じて行われている

・実社会においても重要な情報や規則などは文章によって伝達されている

という現状を踏まえて普段から「文字を読む習慣」を身に着けてもらいたい。もっと言えば「文字で書いてあることを正確に読もうとする習慣」を身に着けてもらいたいという考えに基づいています。

実際に普段の授業においても、生徒から質問された時に、文法書を差し出して「先ずはここに書いてあることを読んでみようか」と「差し戻し」することがままあります。「ここに書いてあることをよく読んでそれでも理解できない部分があれば再度質問してね」という感じで。

具体的に見ていきましょう。吉田塾の塾生は私立中高一貫校のお子さんが多いので英語の教科書としてZ会さんの『New Treasure 』を使っている生徒が多いのですが、中2のテキストに「現在完了進行形」を学ぶ課があります。

 

~して以来〔~の間〕ずっと・・・している」という過去のある時点で始まった動作が現在まで継続していることを表す場合、現在完了進行形を用いる。現在完了進行形は 〈have [has] + been + 動詞の・・・ing 形〉で表す。(Newe Treeasure Stage 3 Second edition, p. 11)

 

との説明があります。さて中高生の皆さんはこの説明を読んで「現在完了進行形」がどんな場合に使われるのかを正確に理解できたでしょうか?ある文章を正確に理解するためには、当然ですが、そこで使われている「言葉」を正確に理解する必要があります。例えば「動作が継続している」と説明にありますが・・・

・なぜわざわざ「動作」という言葉をここで使っているのでしょうか?

・そもそも「動作」という言葉は何を表すのでしょうか?

・「動作」以外にどんなものが続くのでしょうか?

そんなことを考えないで「「~して以来〔~の間〕ずっと・・・している」という過去のある時点で始まった動作が現在まで継続していることを表す場合、現在完了進行形を用いる。

何度読んでもそこに書いてあることを正確に理解することはできないのです。ちなみに教科書ではこの後このような記述が続きます。

 

現在完了進行形では、動作を表す動詞(動作動詞)を用いる。know(知っている)、like(好きである)、want(欲しい)のような状態を表す動詞状態動詞)は、動詞自体に継続の意味を含んでいるので、現在完了進行形にしない。(同書、p.11)

 

つまり・・・

(a) I have been knowing him for years. (×)

(b) I have known him for years.(〇)

(c) I have watched this movie twice.(〇)

(d) I have been watching this movie  for two hours.(〇)

ということになります。まとめると・・・

動作動詞

→ 現在完了形の意味=①完了、②経験

→ 現在完了進行形の意味=継続

状態動詞

→ 現在完了形の意味=①完了、②経験、③継続

→ 現在完了進行形(×)

ということになります。

 

もちろん自分で読んだときにここまで理解ができなくてもよいのですが(そのために授業があるのですから)書かれていることを丁寧に読み込み、正確に理解しようとすること、そしてその過程で疑問を持つことが何よりも大切なことなのです。

See you next time!