英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

現在分詞と過去分詞の使い分け

昨日は「高校英語ゼミ」で分詞をテーマに授業を行いました。どんな話をしたか少し紹介します。

先ず分詞には現在分詞と過去分詞があります。

write(原形)を書く

writing(現在分詞)を書いている(進行・能動)

written(過去分詞)書かれる(受動)、書いた(完了)

 

現在分詞の働き

①be動詞+現在分詞で「進行形」を作る

②形容詞的に名詞を修飾する

③分詞構文を作る

 

過去分詞の働き

①be動詞+過去分詞で「受動態」を作る

②have+過去分詞で「完了形」を作る

③形容詞的に名詞を修飾する

④分詞構文を作る

 

ここで生徒の皆さんが混乱しがちなのが分詞が「形容詞的に名詞を修飾する」場合です。例えば次の英文を見て下さい。

(a) The boy ( write ) something is my brother.

          S                                         V

(b) The books ( write ) by him sell well.

          S                                        V

この2つの( )内の動詞を現在分詞か過去分詞かにするという問題があったとします。このとき考えることは分詞とその意味上の主語との関係を考えることです。

例えば (a) の場合S(=主語)V(=述語動詞)The boyis になりますが、分詞としてはたらく (write)にもその「書く」という動作を行う主体が存在します。これを分詞の「意味上の主語」と言います。今分詞をV’、その意味上の主語をS’とすると・・・

(a) The boy ( write ) something is my brother.

          S / S'       V'                        V

意味上の主語である the boy と分詞になる write の意味の関係を考える

その少年が書く」という能動の関係があります。このような場合は現在分詞を使います。

(a) The boy writing something is my brother.

 何か書いている少年は私の弟です。

 

次に (b) を考えてみます。

(b) The books ( write ) by him sell well.

          S /S'           V'                    V

意味上の主語である the book と分詞になる write の関係を考えてみる

本が書かれる」という受動の関係になります。このような場合は過去分詞を使います。(本が何かを書く、ということはあり得ないので)

(b) The books written by him sell well.

 彼によって書かれた本はよく売れる。

 

という訳で、まとめると以下のようになります。

意味所の主語と分詞の意味の関係が・・・

S’がV’する(=能動)→ V’は現在分詞

S’がV’される(=受動)→ V’は過去分詞

 

ただし注意しないといけないのが次のようなケースです。

(c) The game was so ( excite ) that the audience was very ( excite ).

 その試合はとても面白かったので観衆は非常に興奮していた。

これも同じように意味上の主語との関係を考えてみます。

前の excite のS’= the game → 試合(=S')が興奮させる(=V’)(能動)

後の excite のS’= the audience → 観客(=S')は興奮させられた(=V’)(受動)

よって( )内の動詞を正しい形にすると・・・

(c) The game was so exciting that the audience was very excited.

となります。ここで大切なことは

excite≠興奮する

excite=を興奮させる

のように元の動詞の意味を正しく覚えていることです。以下のような「人の感情に影響を与える」という意味の動詞は注意が必要です。

amaze=を驚かせる

annoy=をイラつかせる

bore=を退屈させる

confuse=を混乱させる

delight=を喜ばせる

disappoint=をがっかりさせる

interest=に興味を持たせる

move=を感動させる

please=を喜ばせる

satisfy=を満足させる

shock=に衝撃を与える

surprise=を驚かせる

tire=を疲れさせる

これらの動詞を分詞として使うときは概ね

S’=人 → V’=過去分詞

S’≠人 → V’=現在分詞

という図式になりますが、機械的公式的にこの図式を当てはめるのではなくその文脈に沿ってS’とV’の能動受動の意味関係を考えることが大切です。例えば次の英文を見て下さい。

(d) The teacher was so boring that all the students were bored.

 その先生はとてもつまらない(人)なので生徒たちは皆退屈していた。

という英文も存在するのです。

その先生は生徒たちを退屈させる」とS'V'の関係が能動なので前方の bore現在分詞となります。

いかがでしたでしょうか?

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