英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

「怒られる」は get angry で良いのか?

吉田塾では「毎日英作文」と称して月曜日から土曜日まで毎日1題和文英訳の問題を塾生に課しています。先日次のような課題を出したところ同じような間違いが散見しました。

日本文 誰でも人前で怒られるのは好きではない。

誤答例 No one likes to be got angry in public.(×)

さて、この英文何がいけないのでしょうか?

怒る= get angry なので「怒られる」はそれを受動態にして

怒られる= be got angry (×)と考えた人が多かったようです。

しかしこの考え方及び出来上がった英語には大きな問題があります。それは・・・

I got angry.(私は怒った)という英文には目的語がないため、そもそも受動態にはなれない、ということです。

受動態の文というのはある英文の目的語(=O)を主語にして元の分とほぼ同じ内容に書き換えた文のことです。例えば・・・

He wrote this book. → This book was written by him.
 S     V           O       S(=元O)

元の文と主語を変えてしまったわけなのでそのままでは英文の意味が変わってしまいます。 This book wrote him.(この本が彼を書いた)。そこで動詞をbe動詞+過去分詞にして「~された」という受動の意味に変えます。これによってはじめて「この本は彼によって書かれた」という元の文と同じ内容を表す英文が完成します。

ここで再度「私は怒った」という英文を見てみると・・・

I  got angry.
S   V     C

となっており目的語はありません!簡単に言えば「私が怒った」だけで「怒られた人」はいないので受動態にしようがないのです!

日本語の「怒られる」は「叱られる」という意味ですから英語ではscold(を叱る)を使うとうまく表現できます。

She scolded her son.(彼女は息子を叱った)
  S        V           O

Her son was scolded by her.
 S (元O)    V

という訳で最初の和文英訳の解答例は以下のようになります。

No one likes to be scolded in public.

いかがでしたでしょうか?

See you next time!