英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

2023年度第3回英検で準1級に合格したい人へ ~今日から始める英検準1級対策~

先日2023年度第2回の英検(=実用英語検定試験)の1次試験の合格発表がありました。吉田塾からも準1級を受けた人は中3~既卒生まで5~6名いるのですが、今のところ合格の報告をもらっているのは1名のみです。なかなか厳しいですね・・・。ちなみに過去のデータによると英検準1級の合格率は受験者の15%前後ですので今回の結果は平均的と言えます。(個人的にはあと1~2名受かってもよいと思っていましたが)

という訳で今回は「次の英検で何としても英検準1級に合格したい!」という人向けの「今日から始める英検準1級対策」について書こうかと思います。

ちなみに対象は「英検2級は受かっているけれども準1級受けたら結構ボコボコににされた」という人達です。

 

1.リーディング大問1(ボキャブラリー)

 ここで正解数が25問中13問未満の人は単準に語彙が足りていません。そしてここで13問以上取れていないと次の大問2、大問3の読解問題で正解を導き出すのに必要な理解が難しくなります。先ずは最低でも13/25問取れる語彙力をつけましょう。ではそのために何をやるか?

①『文単』読解→聴解→音読

とにかく毎日英検準1級レベルの文章に触れて当該レベルの語彙をマスターしましょう。そのために吉田塾では『英検準1級文で覚える単熟語』(旺文社)を日頃の多読・音読・リスニング対策音源としてお勧めしています。問題はその取り組み方です。ここが間違っていると「何周もしたのに全然単語が覚えられない」という最近よく聞くお悩みを抱えることになります。

手順

Step 1 黙読・本文内容文構造理解

先ずは本文を熟読して、その内容だけではなく、文構造単語・フレーズ単位の意味をしっかりとつかみましょう。次の英文を見て下さい。

The "Search for Extraterestrial Intelligence" (SETI) is the name for various projects that are on the lookout for any signs of intelligent alien life in outer space. 

(出典:『文単準1級』 p.26)

これを読んだときに赤字の単語リストに説明がある単語だけではなく、黒字部分の意味も分からないところがあれば辞書で調べて意味を確認しておきましょう。この文であれば various, sign, outer 等の2級レベルの単語で取りこぼしがないか確認が必要です。次に内容理解です。

The "Search for Extraterestrial Intelligence" (SETI) / is the name for various projects / that are on the lookout / for any signs of intelligent alien life / in outer space. 

この英文を全訳を見て「ざっくりと意味が分かる」状態にとどめるのではなく、「フレーズ(=スラッシュとスラッシュの間)毎に意味が理解できるようにする」ことが大切です。この訓練をしておかないとリスニングパートに対応できないののでこの習慣は極めて大事です。

地球外知的生命体の探査は/様々なプロジェクトのための名称です/それは探しています/知的異星人の兆候を求めて/外宇宙における

このレベルで全文を理解した後に音源でネイティブの朗読を聞くようにして下さい。これは「英語の友」という旺文社のアプリをスマホに入れておけばいつでも(=電車内などで)聞くことができるので必ず入れておきましょう!(スマホの空き容量がないという人はゲームアプリとかマンガなどを削除して容量を確保しましょう)

音源を聴くときは最初は英文を目で追いながら次は英文を見ないで目を閉じて音だけを聞いて理解するように努めましょう

最後に音読します。この際に先ほどと同じように単語単位、フレーズ単位で全ての部分の意味が頭に浮かんでくるか確認しましょう。

 

②大学受験用単語帳の暗記

文単』に掲載されている英文は過去の英検準1級の読解パートやリスニングパートの英文を流用しています。従ってこれだけでは大問1の語彙問題に出てくる単語は網羅できないのです。そこで活用したいのが「大学受験用英単語帳」です。高校生の場合はなにかしらこの「大学受験用英単語帳」が学校から配付されているはずです。『ターゲット1900』(旺文社)、『システム英単語』(駿台文庫)、『LEAP』(桐原書店)等です。これらを最後まで覚えましょう。このとき1点注意があります。それは・・・

赤シートを使わない」ということです。赤シートだけではその周辺にある情報がヒントになってしまうのです。ですから単語以外は完全に隠せるシートを自分で作成しましょう。イメージはこんな感じです。↓

 

③教科書(=英語コミュニケーション)の活用

学校で使用している長文読解のテキストもしっかりと活用しましょう。やり方は先ほどの文単と同じです。そしてこれは英検対策だけではなく定期試験対策にもなるので一石二鳥です。

 

2.リーディング大問2、大問3(読解)

①賛成反対の流れを追う

ここでは賛成反対の流れを追うことが最重要事項です。具体的に見ていきましょう!

There used to be quite a lot of skepticism about climate change among scientists, but there is much less now. There are still some sutubborn critics if idea that we need to take drastic action to stop global warming, though.

(出典:『文単準1級』 p.18)

地球温暖化」は事実だと考える科学者と事実ではないと考える科学者の対立についての英文です。このたった3行の中で2回反転ポイントがあるのに気づいたでしょうか?

紫字=地球温暖化事実ではない派

青字=地球温暖化事実派

ということが身見抜けるかどうかが英検読解の最重要ポイントなので。そしてこのような英文の方向性を見抜く際に最も重要なのが「論理関係を示す語句」(=ディスコースマーカー)なのです。中でも「逆接」や「対比」を表す、but, however, yet, though, despite, in spite of 等に反応して、その度に「ここはどんな考えや事実が対比されているのか?」と自問しながら読み進めていくことが何よりも大切です。

これだけ読むと難しいと感じる人がいるかもしれませんが 、慣れると簡単なので過去問などを通じてこの読み方をマスターして下さい。

 

②内容一致問題の復習法

大問3は内容一致問題です。これは過去問を問いた後の「直し方」が重要です。これについてはこちらの記事を参照して下さい。

ikebukuroyoshidajuku.hatenablog.com

英検でも共通テストでも内容一致問題の解き方・復習の仕方は同じです。ここで取り上げられたやり方は時間はかかりますが効果は抜群ですので、ぜひ取り入れてみて下さい。

 

3.ライティング

ライティング対策については動画で英検準2級・2級用のライティングのコツを説明していますのでこちらを参照して下さい。

youtu.be

これに加えて、今回覚えておいてもらいたいことは2つです。

①ライティングは最初に解く

②ライティングの際は最初に日本語で構成を書く

という2点です。

英検準1級の問題冊子は以下のようになっています。

リーディング→ライティング→リスニング

もちろんリスニングは筆記試験(=リーディングとライティング)が終了後に始まるのですが、リーディングとライティングではライティングの時間を決めた上で最初に解きましょうということです。

大まかな時間配分は以下のようなイメージです。

大問4 ライティング 30分

大問1 単部空所補充 15分

大問2 長文空所補充 15分

大問3 長文内容一致 30分

合計 90分

そしてさらにライティングは以下のような時間配分になります。

日本語構想 5分

英文筆記 20分

英文校正 5分

英検は合格ラインぎりぎりの人にとっては「時間との勝負」という側面が強いです。予め時間配分を決めておきそのプランに従って解き進めることで大失敗を回避でき、合格の可能性が高まるのです。特に現在の英検の配点だとライティングで高得点を取ることが極めて大切でかつ他の分野よりも容易です。従ってここを余力のある最初に、しっかりと時間をかけて解くことが極めて大切です。

 

4.リスニング

ここれは日々の「耳を鍛える訓練」としてはリーディング大問1対策の中に含まれるのですがここではそれに加えて2点注意点を指摘しておきます。

①リスニングを解いた後は必ずスクリプト(=原稿)を読む

②テスト中は音に集中してメモを取るのは最小限にして、選択肢は聴き終わるまで読まない

という2点です。

①について

リスニングは英文の書かれていない内容一致問題です。従って解いた後は必ず「リーディング大問3内容一致問題」と同じ復習をして下さい。ほとんどの人はリスニング問題は解きっぱなし状態なのは非常にもったいないことです。

②について

人間の脳のリソース(=容量)には限りがありますから聞きながら書いたり読んだりすると聞く能力が低下します。英検のリスニング問題は、スクリプトを読めばわかりますが、そんなに細かいことは問われません。大事なのは「ストーリーの流れをつかむこと」です。別の言い方をすると結論をつかむことです。次の問題を見て下さい。

 

A:ケン、明日のパーティー参加するの?

B:迷ってるんだよね・・・

A:なんで?

B:妻が体調悪くてね

A:なるほど。じゃあ直前でも構わないから参加する時は連絡して!

B:了解

問題 ケンは明日のパーティーに参加するか?

①参加する ②未定 ③参加しない ④仕事次第

 

この程度の内容が英語の音声で流れるのが英検のリスニングです。ケンの奥さんの体調が回復すればパーティに参加するようですから正解は②未定、となります。

 

いかがでしたでしょうか?

第3回英検の標準実施日は2024年1月21日(日)です。今日から学習を始めても3ヶ月ありません。ぐずぐずしている暇はありません。さっそく今日から準備を始めましょう!

See you soon!