英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

一般常識というか背景知識というかをどこで手に入れるか

以前こんなブログを書きました。

ikebukuroyoshidajuku.hatenablog.com

長文を読んでいるときに、ある単語なりフレーズからそこで扱われる話題に関するイメージがどれだけ広がっていくか?あるいは展開を予測できるか?これは文章を読んでいく上で、日本語であれ外国語であれとても大切です。

もちろん先入観を持ってその後の内容を決めつけてしまうのは、英語のような外国語の場合特に危険なのですが、内容や展開を予測しつつ英文を読みながら修正したり、うんうんとうなずきながら読んでいけるようにすることが重要なのです。

例えば昨日、法政大学の過去問をある生徒が解いていたのですが、その英文に "gendered language" というフレーズが出て来たのです。そこで「このフレーズからどんな内容をイメージした?」とその生徒に聞いてみると「・・・」という感じでした。

gendered language は意味的には「一方の性に偏った言語」くらいの意味です。で、 gender(=性別) とか language (=言語)という単語からどういう話題を予測したでしょうか?

一番簡単な例は policemanactress など男性形女性形で形を分けている単語でしょう。さらには everyone を指す代名詞に he / his / him などを使うとか。

さて、このような言葉(あるいは言葉遣い)の何が問題なのか?これは中高生が自分で思いついたり、感じたりするのはなかなか難しいと思います。

先ほどの actress の何が問題を含んでいるのか?こういった言葉の根底には男性が社会における基準であり、土台であるという歴史的な認識がその根底にあると考えられており、それ(= 男性が社会における基準であり、土台であるという歴史的な認識)が問題とされているのです。

さて、このようなことを知っている人と知らない人とで英文を読むスピードや理解のレベルが大きく変わってきます。たとえ両者の英語力が同じだとしてもです。

では、このようないわゆる「背景知識」や「一般常識」をどうやって学ぶのか?それはもちろん普段学校で学んでいる様々な教科の授業がメインであることに間違いありません。日々の国語や各種社会科の授業、もちろん数学や理科、技術や家庭科、保健体育に至るまで日々の様々な学びが英文読解の場面で活きてくるわけです。

とはいえ、これまでの授業の取り組みが悪くてどうも自分はそういった「背景知識」や「一般常識」の点で同学年の他の生徒より劣るのでは?との疑いがある人はどうすれば良いのか?これが今日の本題です!

 

『文単』を利用して背景知識を身に着ける

英検〇級文単』(旺文社)を利用して単語・リスニング・スピーキングの力を養いながら背景知識についても学ぶことができます。例えば2級の目次を見ると・・・

環境・資源

科学・技術

自然・動植物

健康・医療

ビジネス・経済

社会・ニュース

歴史・文化

という7つのテーマの英文が各10題収められています。これを読んでそのテーマについて考えることで各分野の背景知識を学ぶことができます。また『文単』のもう一つ良いところは「英検のライティング対策」になるという点です。つまり文単に収められている英文は実は英検のライティングの答案のネタとしても使える内容なのです。例えば『英検2級文単』の最初の英文は「フードロス対策」というテーマなのですがこれは  "Should Japanese restaurants decrease their food waste?" のようなお題のライティングの答案を書く際のネタになるのです。

もちろんこのようなに普段読んでいる英文から背景知識を学んだり英作文のネタをストックしたりするには「能動的に英文を読む」ことは不可欠です。「能動的に読む」というのはつまり英文を読みながら自分の頭でそのテーマについて予測したり、敷衍(ふえん)的に考えたり、自分ならこうするという解決策を考えたりしながら英文を読むことです。

というわけで、『文単』や学校で使っている教科書を読む、その読み方によってその効果は大きく変わります。せっかく時間をかけて読むのですから単にそこに出て来た語句を覚えるに留まらず、そこで扱われたテーマについても積極的、能動的に考えより多くのものを吸収していくことを心掛けて下さい。

See you soon!