「英語学習十則」を詳しく説明するシリーズの第8回です。
ikebukuroyoshidajuku.hatenablog.com
今回はかなり上級編です。
其の八 英文を読み進めていく中で当初の予測と文構造が異なると気づいたときは文頭まで戻って再度文構造を考えること。
先日「其の七」において・・・
其の七 英文を読むときは「最初に出てきた前置詞の付いていない名詞」を主語と考えて文の構造を読み取ろうとすること。
というルールを確認しました。
ほとんどの英文はこの「最初に出てきた前置詞の付いていない名詞」が主語になっているのですが中には例外的なものもあります。
次の2つの英文を比べてみましょう。
(a) The book I read yesterday is boring.
(b) The book I read in my teens.
(a) の英文を読むときに、The book には前置詞がついておらず、文の先頭にあるためこれを主語(S)だと考えて英文を読み進めていくと The book I read yesterday が名詞+後置修飾で is が述語動詞(V)だということが分かります。従って和訳は・・・
(a) 私が昨日読んだ本はつまらない。
となります。一方で (b) の英文を同様に考えていくと The book I read in my teens が名詞+後置修飾で大きな名詞のかたまりとなり主語になると思いきや、そこでピリオドが打たれており文が終わってしまいます。名詞のかたまりだけで文が形成されることがないわけではないでしょうが、ここは考えを改めて I が主語にしかなれない形であることから (b) は
(b') I read the book in my teens.
という英文の語順が変わった英文なのではないかと考えられます。そうすると・・・
(b) その本を私が読んだのは十代の頃だ。
という意味だと考えられます。
(c) Only a liitle hope did Ken get at that time.
この英文でも hope には前置詞はついていません。しかしこれも hope を主語だと考えると get の目的語が無くなってしまいます。「わずかな希がケンを手に入れた」ではさすがに意味不明でしょう。ここで思い出したいのが「否定が文頭に置かれると倒置が起きる(=疑問文の語順になる)」というルールです。
これを考慮に入れると (c) は only が文頭に置かれたことにより Ken got が倒置されて did Ken get と疑問文と同じ語順になったものだと考えられます。従って・・・
(c) そのときケンはほんのわずかな希望しかもっていなかった。
と訳すことができます。
いかがでしたでしょうか?自分が最初に予測した通りに文構造がなっていればそれに越したことはないのですが、まれにそうでないことがあります。そんなときは最初の予測にこだわらずに再度英文全体をみてその文構造を考えるようにしましょう!
See you next time!