英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

クジラの構文 「高校英語ゼミ」より

昨日は15回目の「高校英語ゼミ」でした。比較の第3回目でテーマは「no の付く比較表現」。

(a) not more than 100 dollars(多くても100ドル)

(b) not less than 100 dollars(少なくとも100ドル)

(c) no more than 100 dollars(たったの100ドル)

(d) no less than 100 dollars(100ドルもの)

などの表現がなぜそのような意味になるのかを説明した後でいわゆる「クジラの構文」に入っていきました!これは昔はよくこの構文を説明するのに例文にクジラを使っていたためです。

(e) A whale is no more a fish than a horse is.

 訳)クジラが魚でないのは馬が魚でないのと同じだ。

ちなみに『ジーニアス総合英語』ではこの構文を説明するのに次のような例文を使っていました。

(f) He is no more lawyer than my little child.

 訳)彼が弁護士でないのは私の小さい子供が弁護士でないのと同じだ。

つまりこの構文は・・・

AがXでないのはBがYでないのと同じだ。

という意味を

A is no more X than B is Y. 

という構文で表したものです。

で、いつも質問が出るのは「 a horse is not にしなくてもいいんですか?」ということ。

(e) A whale is no more a fish than a horse is.

 訳)クジラが魚でないのは馬がでないのと同じだ。

結論的には「not をつけたらいけない」ということになります。これは比較表現を含む文を考えるときの基本ですが、比較文の意味を考えるときには必ず「何と何を比べているのか」、つまり「比較対象」を明確にすることが大切です。(e) の英文の比較対象を考えてみると・・・

(e-1) A whale is a fish.(クジラは魚だ)

(e-2) A horse is a fish.(馬は魚だ)

この2つの英文を比べたときに no more(=より多い部分がゼロだ)と言っているのです。従って(e-2) に not を入れてしまうと・・・

(e-1) A whale is a fish.(クジラは魚だ)

(e-2) A horse is not a fish.(馬は魚ではない

という2つの英文を比較していることになり、「クジラが魚だということは馬が魚でないということと変わりない」という意味になり「クジラは魚類」という話になってしまいます!したがって「クジラは水の中を泳いでいるけど魚ではないよ」というメッセージを伝えたいときは・・・

(e-1) A whale is a fish.(クジラは魚だ)

(e-2) A horse is a fish.(馬は魚だ)

→ (e) A whale is no more a fish than a horse is.
として「クジラが魚だと言うことは馬が魚だと言うのと変わらない馬鹿げた発言だ」という意味にしないといけません。

いかがでしょうか?自分の持っている問題集や文法書でこの「クジラの構文」に関する例文を探してその意味を考えてみて下さい。

See you soon!