今日は「時制」(=述語動詞の形の変化の仕組み)について。
先ずは日本語で考えてみましょう。
(a) 私はスポーツが好きです。
(b) 私はスポーツが好きでした。
日本語を母語とする人には当たり前に感じるはずですが、(a) と (b) では大きく意味が異なります。
(a) は「今現在私はスポーツが好きだ」という内容を表すのに対して、(b) は「昔はスポーツが好きでした(が、今は好きではない)」という意味になります。意味の違いは文末にある述語の形の違いです。これは英語も同様で・・・
(a) I like sports.
(b) I liked sports.
日本語と英語では語順が異なりますが述語部分の形を変えることで「いつ好きだったのか」の意味が変わる点では同じです。
ところが英文を日本語に直したり、日本語を英文に直したりする際に、この時制部分を見落とす人がとても多いのです。ざっくり言うと・・・
和文英訳 → 全部現在形で書く人が多い
英文和訳 → 全部過去(形)で書く人が多い
つまり
(c) 昔はスポーツが好きでした。
という日本文を英訳してもらうと
(c') I like sports before.
と英訳する人がとても多いのです。一方で、英文和訳の場合は・・・
(d) People often wake up two or three times a night.
(d) 人々はよく一晩で2,3回目が覚めた。
のようになんとなく過去形で書く人が多いような気がします。
ではどうすれば良いのか?とにかくいえることは「普段から英語を読んだり聞いたりする際に動詞の形とその意味に注目する」ということ以外ないでしょう。
played と見たり聞いたりしたら脳内で「~した」ときっちり変換できるようにするということです。またplays とあれば「(いつも)~する」と明確に現在進行形と区別してイメージを膨らませることが大切です。
(e) He is watching a movieon his smartphone.(現在進行形=今見ている)
(f) He watches movies on his smartphone.(現在形=普段見ている)
中学生でも高校生でもかなり多くの人がこの2つを区別していない、もしくは(f) を(e) の意味で捉えているのが現状です。
まとめます!普段教科書や『文単』を読んでいるときに時制(=述語動詞の形)とその意味に注目しながら意味をつかもうとする意識が大切なのです。
See you soon!