英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

英語と語順 単語と単語をフィーリングでつなげてはいけない

昨日授業中にこんな英文が出てきました。

(a) This made God very sad and angry.

この英文をみてある生徒はこう訳そうとしました。

(a') 神は悲しみと怒りを生み出した。

なんか文学的でよさげですが、この英文は全然ダメです。下線部和訳なら10点満点で0点です!

なぜ点数を与えられないか分かりますか?

それは英文のSVと日本語のSVが異なるからです。もちろん意訳の手法として英文と日本語訳でSVを変える手法はあるのですが、 (a') の日本語訳は内容的にも (a) と異なるので0点です!この英文の文構造は次のようになっています。

(a) This made God very sad and angry.
  S      V       O              C

make O C =OをCにする、という意味なのでこの英文の意味は次のようになります。

(a'') これが神をとても悲しくそして怒らせたのだ。

(a') は簡単に言うと「神が悲しと怒りを作った

(a'') は簡単に言うと「神が悲しくなり怒った」という意味ですからこの2つの文は完全に別の意味です。 (a') の訳文の問題点は God を主語にしてしまっている点です。

先ほども見たように (a) の英文の主語は This です。そして God は目的語です。これを勝手に God を主語にして和訳したのが (a') ということになります。日本語の場合には・・・

(b) 神がこれを作った。

(b') これを神が作った。

は同じ意味ですが・・・

(c) This made God.(=これが神を作った)

(c') God made this.  (=神がこれを作った)

は全く内容が変わってしまいます!

このように、英語はその語順がとても大切でそれによりある語が主語であるか目的語であるが決まります。それを無視して「神様だから意味的に主語に違いない」という勝手な判断で英文の内容を改竄(かいざん)しないようにすることがとても大切なのです。

いかがでしたでしょうか?

昨日のブログと併せて読むと英文解釈の力がかなり変わってくると思います。

ikebukuroyoshidajuku.hatenablog.com

See you next time!