英語指導吉田塾 塾長ブログ

東京は池袋と渋谷で英語専門塾を営んでいる塾長の呟き

unless の意味と使い方( 決して if + not ではないのです)

昨夜は「高校英語ゼミ」でした。最近はセンター試験の問題を使いながら文法の総復習をしています。今回扱ったのは1993年の問題。なんと今から30年以上前なんですね(笑)

その中でちょっと説明に苦労した問題がありました。

問14  I’ll be surprised (    ) an accident. He drives too fast.
① if Tom doesn’t have  ② if Tom has
③ unless Tom doesn’t have  ④ unless Tom has

 

ちなみに正解は①で意味はこんな感じになります。

もし彼が事故を起こさなかったら、私は驚くだろう。彼はスピードを出し過ぎる。

第二文に「彼はスピードを出し過ぎる。」とあるので筆者は「彼が事故を起こして当然。事故らない方が驚くわ」と考えていると判断できます。

 

さて、ここで unless = if + not と考えている人にとっては④も正解になってしまう訳です。実際に unless = if + not で言い換え可能な場合も多いのです。

(a) He will go to America next summer if he does not fail the final exam.

 「もし最終試験に落ちなければ、彼は来年の夏にアメリカへ行くだろう。

 

(a') He will go to America next summer unless he fails the final exam.

 「最終試験に落ちない限り、彼は来年の夏にアメリカへ行くだろう。

 

上の場合 if +否定文でも unless + 肯定文でも意味は同じです。しかし次のような場合はそうはなりません。

(b) We will be disappointed if he does not graduate from school this spring.

 「もし彼が今春卒業しなければ、私たちはがっかりするだろう。

 

(b') We will be disappointed unless he graduates from school this spring.(×)

  「彼が今春卒業しない限り、私たちはがっかりするだろう。

 

(b') の何がおかしいのかというと「彼が今春卒業しない限り」=「彼が今春卒業する場合以外は」常に「私たちはがっかりするだろう」という意味になり「彼が今春卒業する時以外に常ね私たちはがっかりしている」ことを意味することになり、そんなことはありえないからです。つまり・・・

★ unless で表される条件と組み合わされる結果(=主節)は唯一の結果でなければない。

S1 V1 unless S2 V2.

=S1は(必ず)V1する。S2がV2する場合を除いては。

と考えと良いでしょう。

 

まとめると・・・

if +否定文=そうでないときにおこることを表す

unless=そうである場合以外は常に(必ず)起こることを表す

 

(a') 最終試験に落ちる場合以外は / 彼は必ずアメリカに行く(〇)

(b') 彼が今春卒業する場合以外は / 私たちは必ずがっかりする(×)

 *彼が卒業した時以外常にがっかりしている→そんなことはありえない

 

なお、『コーパスクラウン総合英語』(三省堂)にこの点がうまくまとまられていたので紹介しておきます。(p.652)

if + not ≠ unless の場合

(1)主節の条件を満たす場合が複数ある場合

  (b') のように「がっかりする」条件は一つとは限らない。「職を失う」「好きなスポーツ選手が負けた」場合にも当然「がっかりする」はずなので。

 

(2)if 節が仮定法の場合

  *現実とは異なる仮定には使わない。

 

(3)主節が疑問文の場合

  *What should I do, if do not attend this meeting?

   「ミーティングに参加しなかったら、私は何をすべきですか?」

 

という訳で unlessの意味は「もし・・・でなければ」ではなく「・・・する場合以外は」と覚えるようにしましょう。

いかがでしたでしょうか?ぜひみなさんも自分の持っている辞書で unless を調べ、そこに挙げられている例文を確認してみて下さい。

See you next time!