先日新高1のある生徒が「自動詞と他動詞について教えてほしい」と公式LINEでお願いされました。
*吉田塾塾生はLINEでの質問は24時間無制限でOKなのです。
多くの高校で最初に「品詞と文型」をやるのですが、多くの生徒が悩むところです。「自動詞」とか「他動詞」という漢字の語感から・・・
自動詞 主語が自分で動くことを表す動詞(×)
他動詞 他人から何かされることを表す動詞(×)
みたいに捉えている人は実際多くて、そうなると「他動詞」を「受動態」と混同している人もいたりします。
ではどうすればいいのか?一旦日本語(国文法)における自動詞とか他動詞の話は忘れましょう!英語の自動詞・他動詞は意味(だけでは)では決められなにのです。少し例を見てみましょう。
(a) He looked at the pichture on the wall.
彼は壁に掛かっている写真を見た。
(b) He watched the gave on TV.
彼はテレビでその試合を見た。
この looked も watched も「(を)見た」という意味です。しかしながら look は自動詞で watch は他動詞です。もう少し見てみましょう。
(c) They talked about the matter.
彼らはその問題について話し合った。
(d) They discussed the matter.
彼らはその問題について話し合った。
この2つの英文は全体の意味はほぼ同じですが、この talked は自動詞で、discuss は他動詞です。(a) ~ (d) の英文を見てもわかる通り、英語の自動詞と他動詞をその意味から推定するのは不可能です。自動詞か他動詞かというのはあくまでも文構造上の分類だからです。
自動詞 目的語を取らない動詞
他動詞 目的語を取る動詞
と考えればよいでしょう。ではある動詞が目的語を取るか、あるいはある英文に目的語があるかどうかはどうすれば分るのでしょうか?
(a) He looked at the pichture on the wall.
この英文のように動詞と名詞の間に前置詞が入っていればその前置詞は直後の名詞と結びつきその名詞は目的語にはなれません。したがって「主語(=名詞)+動詞+前置詞+名詞」という語の並びだとその動詞は自動詞ということになります。では「主語(=名詞)+動詞+名詞」という並びのときはどうでしょうか?
主語+動詞+名詞・・・という並びがあったときに
動詞に後続する名詞が主語の説明になっている → 名詞=補語
動詞に後続する名詞が主語の説明になっていない → 名詞=目的語
と考えればよいでしょう。
(e) He became a doctor.
彼は医者になった。
(f) He married a doctor.
彼は言社と結婚した。
この2つの英文はどちらも語の並びは「主語(=名詞)+動詞+名詞」で同じですが、(e) の a doctor は主語を説明している補語であるのに対して、(f) の a doctor は彼を説明しているわけではないので目的語です。
他にも次の英文のようなややこしい例があります。
(g) He gave up his dream to be a teacher.
彼は教師になるという夢をあきらめた。
上の英文では一見すると「主語(=名詞)+動詞+前置詞+名詞」という並びになっていてこの gave は自動詞と考える人が多いのですが実際は「主語(=名詞)+動詞+副詞+名詞」となっており、副詞は文構造に影響を与えないので、 gave は他動詞、ということになります。(このケースは難しいのでまた別の機会に詳しく触れようかと思います)
いかがでしたでしょうか?必ず手持ちの教材で自動詞か他動詞かの判別のやり方を練習しておきましょう。
See you next time!